オレもいる!

 中日伊藤準規投手(19)が5日、みやざきフェニックス・リーグの巨人との開幕戦(清武)に先発。6回2安打無失点の好投で、クライマックスシリーズ(CS)での登板をアピールした。4月に出場選手登録を外れてから2軍暮らしが続いていたが、本来は阪神、巨人キラー。いずれかと対戦するCSファイナルステージで、登板する可能性が出てきた。

 宮崎の照りつける太陽の光を背に受けて、フェニックスの開幕投手を務めた2年目伊藤が軽快にアウトを重ねた。巨人打線を6回2安打無失点。大田が4番に座る若手中心のメンバーとはいえ、三塁さえ踏ませぬピッチングで、またも巨人キラーぶりを見せつけた。

 奪った4つの三振はすべて空振り。今季最速となる147キロもマークした。昨秋フェニックス・リーグで記録した自己最速の153キロには届かなかったが、直球で打者の内角をグイグイと攻め、反撃のチャンスすら与えなかった。

 伊藤

 この時期は結果を出さないと(1軍に)呼んでもらえないと思うので、とにかく結果を出さないと。次の登板でもしっかり抑えたい。去年もここからCSにかけて良かったし、今年ももちろんあきらめていません。

 今季は開幕ローテに入り、プロ初勝利を挙げたが、直球が140キロ台前半しか出ず、3試合で2軍降格となった。その後は右ひじの違和感でマウンドからしばらくの間離れた。だが8月にファームで実戦復帰すると、その後は5試合を投げ、防御率2・42。安定した結果を残し、この日も存在感を見せつけた。

 文句なしの投球に、小林投手コーチも「徐々に段階が上がっている。ブルペンから内容が濃いボールを投げていて、抑えるべくして抑えている」と高評価。「何かあったらCSにも(投げられる)というふうになってきた」と、CS抜てきの可能性も示唆した。

 CSで対戦する巨人、阪神は伊藤にとってともに得意な相手だ。巨人は昨年のCSや今年のオープン戦も含め、通算防御率1・80のお得意様。阪神も4月4日に8回1失点でプロ初勝利を挙げた相手だ。

 伊藤は「先発もロングリリーフも中継ぎも、どこでもできるように準備しておく」と話しており、昨年のCSのように中継ぎとして起用することも可能。1軍には豊富な投手陣が控えているが、秘密兵器として登板する可能性は十分ある。【福岡吉央】

 [2010年10月6日11時3分

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