19日、阪神星野仙一オーナー付シニアディレクター(SD=63)が退団会見を行い、楽天監督就任へ前向きな言葉を述べた。

 02年から親しんできたタテジマに別れを告げる星野氏の目には、うっすらと涙が浮かんだ。「本当にタイガースファンには愛されてきた。感謝の言葉しかない」と語った。

 阪神から身を引く理由は現場への復帰願望が沸騰点に達したからだ。楽天新監督として白羽の矢を立てられて以来、苦悩してきた。周囲から多くの引き留めにあった。しかし、ユニホームを脱いで6年間の充電期間を経た今、再びグラウンドに立ちたい気持ちの振り子が振れた。「新しい人生を突っ走ろうと思っています」と切り出し、楽天からのオファーを受諾し、指揮をとることを示唆した。

 12日に坂井オーナーと直接会談した際、退団を申し入れ、了承された。「野球一筋できたものですから、ここ1、2年無性に『野球がしたい!』という思いが芽生えて、やっぱり私は野球人なんだなと思った」。

 今後に関しては明言を避けたが、楽天入りを念頭に入れたような発言が続いた。「また甲子園に戻ってきます。日本シリーズで…。ものすごく遠い夢だろうけど、それを目標にやっていかなきゃいけないだろう。交流戦じゃあ意味がない。甲子園で日本シリーズがしたい」。いよいよ“闘将”がグラウンドに帰ってくる。【寺尾博和】

 [2010年10月20日9時23分

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