<パCSファイナルステージ:ソフトバンク0-7ロッテ>◇第6戦◇19日◇福岡ヤフードーム

 うそだろ、信じたくない!

 レギュラーシーズン1位の秋山ホークスがエースで終戦した。中4日先発のソフトバンク杉内俊哉投手(29)が5回途中4失点でKOされ、王手から悪夢の3連敗でまたしてもCS初制覇を逃した。本拠で西村ロッテの胴上げを凝視した川崎、本多ら多くの選手が悔し涙を流した。試合後のミーティングで秋山監督からは「この悔しさを忘れるな」とゲキが飛んだ。

 秋山監督は腕組みをしたまま立ちつくしてグラウンドを見つめた。視線の先にはロッテ西村監督の胴上げがあった。王手からまさかの3連敗で悪夢の終戦。中4日で杉内を先発させ、中3日で和田をリリーフ登板させる執念も実らなかった。悔し涙にくれる川崎や本多らとともに、屈辱の光景を目と脳裏に焼きつけた。

 こんな無残な終幕を誰が予想できたか。04年のプレーオフ創設以降6度目の挑戦もはね返された。08年にアドバンテージによる1勝が与えられる制度が始まって以来、リーグ優勝チームが敗退したのは両リーグ通じて初の屈辱となった。

 「ロッテは力を出せて、ウチは出せなかった。(リーグ終了から)長く空いて調整がうまくいかなかったかもしれない。来年はふまえないと」。9月26日のレギュラーシーズン最終戦から中17日。みやざきフェニックス・リーグで実戦を踏んできたが、実戦不足を補いきれなかった。

 最後はエースと心中した。同じロッテとの05年プレーオフ以来5年ぶりとなる中4日先発で杉内をマウンドへ送り込んだ。両軍無得点の5回2死走者なしから、すべては暗転した。里崎、西岡の連打と清田への四球で満塁のピンチを招くと、井口へカーブが抜けて痛恨の死球を与えた。続くサブローも四球で2者連続の押し出しとなったが、指揮官は動かなかった。「任せるところは任せる」。続く今江に2点適時打を浴び、勝敗は決した。

 4失点KOの背番号47は両手をひざにつき、視線をマウンドに落としたまま動けなかった。両目は真っ赤に充血していた。「悔しいね。2敗してるわけだから。責任を感じる」。だが、誰も彼を責められない。秋山監督も「目いっぱいやった結果。杉内だって、まだ成長しなきゃいけないところはある」とねぎらった。

 7年ぶりのリーグ制覇を果たした今季の激闘が終わり、来季への挑戦が始まった。試合後は選手たちを集めてミーティングを開いた。「リーグ優勝には自信を持っていい。ただ、日本シリーズに出られなかった悔しさも忘れちゃいけない。バネにしないとな」。歓喜と屈辱を味わった激動の1年間を振り返り、語りかけるように言い聞かせた。27日から秋季練習が始まり、11月1日からは秋季キャンプに入る。来季への戦いは、もう始まっている。残酷すぎる結末を胸に刻み、来年こそは12球団の頂点に立つ。【太田尚樹】

 [2010年10月20日11時45分

 紙面から]ソーシャルブックマーク