<日本シリーズ:中日2-5ロッテ>◇第1戦◇30日◇ナゴヤドーム

 36年ぶり2度目の顔合わせとなった対戦は、ロッテが中日に先勝した。

 中日が投打に圧倒されてシリーズ初戦を落とした。吉見一起投手(26)が3回でKOされ、打線もわずか6安打に封じられた。ただ落合博満監督(56)は前回の07年シリーズで黒星発進から日本一になったことに触れ「じゃあ、いいじゃん。負けてから出発すれば」と不敵な笑みで逆襲を宣言した。

 得意の先行逃げ切りに持ち込めず、指揮官はあきれたように笑った。「シーズン中に負けるような野球。個々に動きが悪いわけじゃないけど、うちの負けパターンだよ」。シリーズ開幕投手はチェンではなく吉見だったが、制球が定まらなかった。「悪けりゃ、あんなもんだ。あのまま投げさせていたら何十点とられたかわからない」。3回裏の攻撃で、吉見にスパッと代打を送った。

 相手ベンチで指揮を執るのは西村監督。忘れられない思い出があった。現役時代、まだ入団したての西村内野手を世田谷区の自宅に招いた。「こいつは見どころがあるんだ」。まだ子供がいなかった落合夫婦は、子供ができなければ、ロッテの有望若手を養子にする計画を立てていた。その中の1人が西村内野手だったという。

 だが情は捨てる。「だれが使えて、だれが使えないのか明日、考えるよ。状態の悪いやつをいつまで使うこともないだろう」。最後は打線のてこ入れを示唆した。【鈴木忠平】

 [2010年10月31日8時26分

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