ソフトバンクがオリックスのアレックス・カブレラ内野手(38)獲得に乗り出すことが25日、分かった。球団関係者が明かした。カブレラはオリックスと来季交渉が決裂することが決定的になっている。ソフトバンクは水面下で調査を進め、来季年俸4億円などの条件を整えた。横浜からFA宣言した内川聖一内野手(28)を3番に、日本球界通算346本塁打の大砲を4番に補強し、今季逃した日本一を目指す。

 細川、内川の国内FA補強に続き、最大の懸念だった大砲どりへ、ソフトバンクが動く。照準はオリックスから自由契約になることが決定的なカブレラ。球団関係者は「(オリックスがリリースした後)獲得に動く方向になっている」と明らかにした。

 3年契約を終えたカブレラはオリックスと来季交渉で難航。まとまらなければ、今月末が提出期限の保留者名簿から外れる契約をしている。ソフトバンクは、オリックスがカブレラをリリースした場合を想定して独自調査を続け、条件面では2年ほどの複数年契約、年俸面では単年500万ドル(約4億円)という提示を整えたようだ。複数年契約を希望するカブレラにとって、何よりの好条件だ。

 日本球界10年で通算346本塁打の大砲は、リーグ制覇をしながら、日本シリーズ進出を逃したチームのニーズに適合する。今季のチーム総得点はリーグ4位の638得点。CSファイナルステージでのチーム打率は、パ・リーグCS史上最低の打率1割6分9厘。CS6試合すべて1ケタ安打で、本塁打0本。長距離砲獲得が最重要課題だった。

 カブレラは今季24本塁打。左脇腹痛や左太もも裏の負傷などで112試合しか出場できなかったためで、常時出場できれば30本塁打超を計算できると判断。日本球界での経験も買っており、新外国人選手補強よりも優先する方針。王球団会長、秋山監督の2人のホームラン打者の指導で、02年に55本塁打したパワーに技術がミックスされれば、8年ぶりの40発超え(03年50本塁打)も見えてくる。日本一奪回補強を完結させるべく、交渉解禁の日を待っている。

 [2010年11月26日8時5分

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