阪神真弓明信監督(57)がびっくり発言だ。1日に大阪市内で行われた、楽天からFAした藤井彰人捕手(34)の入団会見に同席。左膝手術で開幕絶望視される城島健司捕手(34)について「帰ってきた時に開幕から出られるということももちろんある」と、5月中旬とされる城島の復帰時期が3月25日の開幕まで早まる可能性に初めて言及した。城島の穴を埋めるために獲得した藤井の会見で、城島の早期復帰をほのめかした。

 え、城島、いけるの?

 金びょうぶを背にした藤井の入団会見。城島が5月中旬に復帰すれば、藤井との競争が起こると、質問された時だった。真弓監督の口から、びっくりする言葉が飛び出した。

 真弓監督

 いや。(城島が)帰ってきた時に開幕から出られるということももちろんあるので。来シーズンは最初から捕手争いになる。

 城島の不在を埋めるべく、補強されたFA捕手の入団会見。その城島が開幕に間に合うならば、状況は微妙に変わる。真弓監督は聞かれたことを素直に答えただけだが、会場には一瞬だけ驚きの空気が流れた。

 城島は11月9日、大阪市内の病院で「左膝半月板損傷に対して半月板縫合術」を行った。全治6カ月の診断に、真弓監督は「開幕はやっぱり難しいんだろう」と慎重な姿勢を見せていた。城島の手術を受けて、球団もすぐに藤井の獲得に動いた。開幕時期に城島の穴を埋めるとともに、復帰後も適度な休養を挟んで起用することが目的。その補強策が実った日の、オドロキ発言だ。

 ひな壇から下りた後も、真弓監督は「城島が早く、開幕から出られるなら、開幕から競争になる」とあらためて話した。城島は現在、長崎県佐世保市、福岡市など地元九州を中心にリハビリ中。術後1カ月も経過しておらず、全治期間までの道のりを6分の1も消化していない。それでも真弓監督は、城島が3月25日の開幕戦でマスクをかぶる状況を想定している。

 一番びっくりしたのはこの日の主役、藤井だろう。それでも会見では、簡単に開幕マスクを譲る気はないことを強調した。

 藤井

 すごいキャッチャーがいますがその気持ちはあります。やるからには(ベンチで)休むつもりはない。チャレンジする側。できる準備はしっかりやりたい。

 城島とは同い年で来季は35歳になるが、「若いんで頑張ります」と大阪人らしく笑いも取りながら、2月初旬にも予定されるキャンプ紅白戦を始め、実戦にフル参戦する覚悟も示す。開幕マスクは城島か藤井か。「城島が手術をして来年に不安があった。捕手を補強できて不安が解消された。来季も戦える」。どちらにしても備えは万全、と真弓監督は言いたげだった。

 [2010年12月2日8時9分

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