楽天の「AKB」が誕生した。来季の目玉となる三遊間コンビ、松井稼頭央内野手(35=前ロッキーズ傘下3Aコロラドスプリングズ)と、岩村明憲内野手(31=前アスレチックス)が1日、都内で合同自主トレを敢行した。これまでほとんど接点がなかったが、「僕はアニキのように思ってます」(岩村)「これだけのサードがいるとショートとしても心強い」(松井)とエールを送り合うなど、早くも意気投合。球界のAKB(Akinori

 Kazuo

 Brothers)結成を宣言した。

 練習場入り口にはNHK、民放各局のテレビカメラ、新聞社のスチルカメラがずらりと並んだ。楽天の地元仙台からも報道陣がつめかけ、まるでアイドルのような扱い。数多くのメディアに登場してきた元大リーガーの2人も、驚きの表情を隠せなかった。

 松井が「びっくりしたね。こういう経験もあまりないし、身が引き締まる」というと、岩村も「鳥肌立つでしょ。寒い仙台を熱くしたい」と笑顔を見せた。ストレッチ、ランニング、キャッチボール、トス打撃と汗を流した後、岩村が「(松井と)一緒に野球ができることがうれしかった。すごく有意義な時間を過ごせた。僕はアニキのように思ってます」と兄弟宣言。2人は、大リーグでは同じ二塁のため、同一チームになることもなく、接点がなかった。だがここにAKB(Akinori

 Kazuo

 Brothers)結成のはこびとなった。

 この日、60人の大報道陣を集めた人気はすでに国民的アイドルグループAKB48級。加えて、実力でも球界トップの三遊間が誕生する。今季は松井がアストロズで27試合に出場し、打率1割4分1厘、0本塁打、1打点。岩村もパイレーツとアスレチックスで64試合に出場し、打率1割7分3厘、2本塁打、13打点と満足のいく成績は残せなかった。2人ともマイナー生活を強いられた。それだけに来季にかける思いは強い。

 2人はお互いへのエールの意味を込めてノルマを課した。岩村は松井へ、「西武の片岡くんが盗塁王をとるということだったけど、稼頭央さんに目指してもらいたい」「プレーボールホームランを打って」と、盗塁王、開幕戦初球本塁打を要求。松井も岩村に「リーダーとして期待してます。僕のうしろで、何とかランナーをかえしてもらいたい」と、リーダーシップと打点でチームに貢献するように求めた。

 松井は岩村の言葉に「(片岡の今季59盗塁を超える)60盗塁は無理でしょ。35歳なのに。ホームランもないよ。球場広いよ。ランニング本塁打?

 ないよ。20代までやね」と爆笑しながらも、「アメリカより、もう少し大きく振っていきたいと思います」と、西武時代の打撃に近づけるつもり。岩村も「星野監督のもと楽天を優勝させるという目標に向かって突き進んでいきたい」と2人で心を1つにしていた。【千葉修宏】

 [2010年12月2日8時8分

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