センター内川で最強布陣だ!

 横浜からソフトバンクにFA移籍する内川聖一内野手(28)が2日、西武ドームでソフトバンクにFA残留する多村仁志外野手(33)らとテレビ収録に臨み、外野全ポジションOKの姿勢を示した。公式戦わずか1試合しか守っていない中堅守備にも意欲をみせ、右翼多村、左翼オーティズ&松中の最強外野シフトが見えてきた。

 新天地ソフトバンクで最強布陣完成のカギを握る内川が、注目発言だ。この日、西武ドームで年末特番のテレビ収録に臨んだ。球場を引き揚げる直前。すでにホークスから伝えられている外野手起用の話題に、きっぱりと言い切った。

 「(外野は)どこもやったことがあります。(首脳陣に)そこでやってくれと言われれば、そこで精いっぱいやるということ。ここがいい、というのはない。自分からそういうことを言うつもりもない。センター?

 オープン戦でやったことありますよ。やれることをやっていきたい」。

 外野を守り始めた05年以降、公式戦での中堅守備は08年に1試合しか経験していない。今季の外野守備は右翼が主。それでも28歳の伸び盛りのヒットマンは、自らの可能性を信じるように、外野全ポジションを受け入れた。

 ソフトバンクの外野陣は多士済々だ。多村、オーティズ、松中、長谷川が今季の主力外野手。だが、08年に右打者最高打率(3割7分8厘)をたたき出した内川は、その中心にドッシリと君臨する決意だ。

 「レギュラーを求めるなら横浜に残っていた。競争するのが普通。(首脳陣に)レギュラーでお願いします、と言うつもりはない。開幕(グラウンドに)立っている人がレギュラー」。

 内川のセンター挑戦はソフトバンク最強オーダーが見えてくる。ライト内川となれば、右翼守備にこだわりを持つ今季チーム打撃3冠の多村との争いになる。レフト内川ならば強打のオーティズ、松中とポジションがかぶる。今季打率2割5分5厘の不振に悩んだ長谷川も巻き返しを期しているが、センター内川の選択肢が強力シフト完成の最短距離であるのは間違いない。さらにオーティズ、松中が守備につけば、一塁小久保、DHカブレラの定着にもつながる。

 この日のテレビ収録はホークス残留が決定的で、かつて横浜に在籍し、先輩にあたる多村もいた。「多村さんに『何でも分からないところがあれば聞いてくれ』と言われて安心しました」(内川)。6日にも入団発表が行われるが、内川は早くもホークスの一員になっていた。【松井周治】

 [2010年12月3日11時51分

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