セ界一のクラッチヒッターへ!

 阪神選手会長の鳥谷敬内野手(29)が来季の勝利打点増加に意欲をみなぎらせた。2日、大阪市内のホテルでプロ野球選手会総会に参加。今季はセ・リーグトップの得点圏打率3割6分を記録したが勝利打点11は同10位にとどまった。来季は勝利に直結するプライスレスな打点を狙う。

 セ界NO・1の称号に満足しない。鳥谷の目指す頂は果てしなく高い。今季はリーグトップの得点圏打率3割6分を記録。しかし…。虎の選手会長は表情ひとつ変えず、自分自身に厳しいゲキを飛ばす。

 鳥谷

 得点圏打率がいいから良かったという訳ではない。10点目の1本と、1点で勝つ1本では違う。トータルで見るより、勝利に直結する意味がないと。2割5分でも試合を決めることができればいい。打てるに越したことはないけど。

 プロ7年目で初の打率3割(3割1厘)、100打点(104打点)をダブルで達成した。勝負強さを強烈に印象づけた10年。周囲への感謝を忘れず、さらなる向上を口にする。

 鳥谷

 自分1人で30発、40発打てたら違うけど、僕の場合はマートン、平野さんの力があっての100打点。100打点できるに越したことはないし、今季は途中から目標になりましたけど。1試合1試合、場面場面で貢献できるか。走らなきゃいけない場面は走りますしね。

 あくまで“つなぎ”を意識。個人成績には目もくれず、チームの勝利を最優先する。いかに白星を導けるか。目標達成に向け、ひとつの目安が勝利打点だ。今季の勝利打点11は新井、ブラゼルの13打点に続いてチーム3位。10年球界トップの中日森野18打点に遠く及ばなかった。

 鳥谷

 そっちの方が大事。同じ打点でも意味が変わってくる。大事なところでちゃんと打てるか。そういうことの積み重ねで、良い1年にしたい。

 トラのシーズン最多勝利打点は85年バースの22。日本一をけん引した前例を振り返れば、どれだけ重要な数字か分かる。重たい重た~い1打点を積み重ね、真のクラッチヒッターに進化する。【佐井陽介】

 [2010年12月3日11時52分

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