阪神が、米レッドソックスからフリーエージェント(FA)になった岡島秀樹投手(34)の獲得調査に乗り出すことが3日、分かった。レ軍からFAとなり、日本球界復帰も選択肢にあることで阪神側は敏感に反応。中継ぎ左腕という補強ポイントに合致する大物の動向を調べる。6年ぶりのV奪回に向け、さらなる補強の可能性を探っていく。

 阪神が、大物メジャーリーガーの調査を開始する。この日、レッドソックスが岡島に対して年俸調停の申請手続きを行わないことが判明。岡島はFAとなって、日米を含めた他球団との交渉ができる。この事実に球団幹部が即座に反応した。「興味はある。ポジション的にはもう1人欲しいところ。どういう状況なのか、調べていくことになる」と岡島の調査を明言した。

 阪神の補強ポイントにうってつけだ。今季は中継ぎ左腕のコマ不足に悩まされた。11月の秋季キャンプでは筒井、川崎、ルーキー藤原らの底上げに努めた。さらにこの日、横浜を戦力外になって入団テストを受けた加藤を獲得。育成選手ではあるが、ベネズエラ出身のザラテも加入した。育成と補強の両面で動いているが、さらなる強化に向けて、余念がない。

 岡島は、07年に日本ハムからレ軍入り。中継ぎ左腕として4年連続50試合以上登板と活躍している。通算16勝8敗、6セーブで防御率3・06。得意のチェンジアップで07年にはレ軍のワールドシリーズ制覇にも貢献。修羅場をくぐり抜けた実績十分の左腕だ。FAになったことで米国だけでなく、5年ぶりの日本球界復帰を視野に入れている。

 阪神は現在、支配下選手が68人で残る枠は2つ。球団はロッテからFAした小林宏の獲得調査も継続している。小林宏はメジャー挑戦を表明しているが、夢が破れた場合は国内球団の受け皿として名乗り出る可能性がある。米球界との交渉が長期化して越年することも想定。「小林宏枠」を1つ空けて、動向を注意深く見守る構えにある。その一方で岡島に対する調査は、小林宏の米国移籍が決まった場合に備えることにもつながる。

 球団幹部は岡島について「とにかく調査して、条件とか本人の考えがどのようなものか、確認していく」と話した。岡島は今季年俸が275万ドル(約2億2000万円)となっているが、条件面を含めて可能性を探っていく構え。阪神が、さらなる戦力補強に向けて、大物メジャー左腕の調査に乗り出す。

 [2010年12月4日11時9分

 紙面から]ソーシャルブックマーク