巨人の王貞治OB会会長(70)が、来季の巻き返しに期待した。5日、都内のホテルで開催された巨人OB会総会で「巨人が強かったと言ってもらえる戦いをしてほしい」と覇権奪回を願った。

 今季の戦いを振り返り「全体的にはよく頑張ったと思うが、詰めが大事」と、終盤での失速を指摘。「9月はプレッシャーが何倍にもなる。勝負の場でいかに自信を持てるか。そういう意味で中日やロッテが上だった」と精神面を敗因に挙げた。

 勝たなければいけない巨人だからこそ、結果が求められる。「勝負の世界では、1位以外は2位、3位も一緒。見ている人にとっては意味はない」と厳しい言葉を並べた。しかし、「(優勝が)途切れたら、新たなスタートを切ればいい」と、悔しさを糧とし、飛躍することに期待を込めた。

 文化功労者に選ばれたことをたたえ、球団から純金のかぶとを贈られた偉大な先輩の思いは、原辰徳監督(52)にもしっかり伝わった。「76年の歴史の中で先輩たちが築いてきたものを前に進ませようという気持ちを持っている。優勝への期待?

 それはいつでも感じています」。常勝の歴史に触れたこの日、“強い巨人”を継承する決意を新たにした。【佐竹実】

 [2010年12月6日9時21分

 紙面から]ソーシャルブックマーク