ロッテからＦＡ宣言した小林宏之投手（３２）が１６日、自主トレ先の沖縄・石垣島で「中継ぎもＯＫ」の姿勢を示した。プロ通算１４年間で７４勝、２９セーブを記録した右腕は、起用法について首脳陣に一任。メジャー移籍が第１希望とし、今月中に決断する方針は変わらない。ラブコールを送り続ける阪神入りが実現すれば、守護神藤川の前を務める「８回の男」で決まり！？

　メジャー移籍を第１希望に、石垣島で自主トレ中の小林が、起用法について柔軟な考えを明かした。「ポジションへのこだわりはない。どこのチームに行っても、言われたところでやるしかない。（先発、中継ぎ）両方やる自信はあるし、言われたところでしっかりやりたいです」。

　第１希望はメジャー契約を勝ち取り、海を渡ってプレーすること。だが、現状は希望するような好条件のオファーがなく、待ちという厳しい立場にある。ただ「待ってくれている」と阪神の獲得意思には強い恩義を感じているのも事実で、昨季の阪神のブルペン事情について自ら口を開いた。「（去年は）球児もしんどそうだったね。８回から（イニングを）またいだりして。（イニングまたぎは）９、１０回の２回だったらいいけど、８回からだと早く（肩を）つくらないといけないからね」と、分析してみせた。

　０９年までは主に先発ローテの一角として白星を積み重ねてきたが、昨季はチーム方針で抑えに転向。それでもリーグ３位の２９セーブを挙げ、史上初となるリーグ３位からの日本一達成という快挙を支えた。先発とはまったく異なる調整法に登板間隔。自身の右腕にかかる重圧も計り知れないものだった。何よりも、守護神という立場のつらさを誰よりも知っている。

　阪神にとっては中継ぎ陣の再整備は急務で、のどから手が出るほど欲しい存在。真弓監督はセットアッパーとして、久保田、藤川とともに「ＫＫＫ」勝利の方程式構想を打ち明けており、獲得が成功すれば球界屈指のリリーフ陣が形成される。小林は役割が変わる可能性についても「やるしかない」と腹を決めており、チームへのプラス要素は計りしれない。昨季は中継ぎ陣が安定感を欠いたことは否めない。決断は石垣島自主トレを打ち上げる２４日以降とみられ、その動向がますます注目される。【石田泰隆】

　［2011年1月17日12時3分

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