ロッテ渡辺俊介投手(34)が「こわもての嫌われ者」になる。優しい顔立ちで、外見は完全にベビーフェースのイメージだが「球も遅いから安心して打席に入られている。怖さを与えることも必要でしょう」とイメチェンを宣言した。

 95球を投げたキャンプ初日に続き、ブルペン入り。投手陣で1人だけ打者を立たせ、89球を投げた。1球ごとに軌道を確認。肩をつくる段階の第1クールとは思えない細かい作業を繰り返した。統一球の曲がり方をチェックする目的とともに「打者からの見え方」を感じる狙いだ。

 熱心に繰り返していたのが左打者の内角を突く変化球。内から外へ逃げるように落ちるシンカーや懐をえぐるスライダーを、プレートの踏み位置やコースを変え、投げ込んだ。「今までは自分がいいと思う球を投げて、打たれていた。打者が嫌だと感じる球を投げた方がいい」。投球パターンを読まれて打ち込まれた昨季の反省が、発想の転換を生んだ。

 左打席に入った金沢は、シンカーにのけぞり「プレートの一塁ギリギリに立たれた球は怖かった。えぐいです」と震え上がった。「なめられたくない」。幕張のサブマリンが内角攻めで危険な男に生まれ変わる。【鈴木良一】

 [2011年2月3日8時53分

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