楽天青山浩二投手(27)が「岩隈フォーク」で先発の一角を狙う。沖縄・久米島キャンプでは、エース岩隈から教わった新球習得に励んでいる。昨季は中継ぎでチーム最多15ホールドを挙げたが、星野新監督から先発転向指令を受けた。ドラフト1位で入団した後輩の塩見貴洋投手(22)と「八戸大コンビ」で左右の先発ローテーション入りを目指す。

 今年から先発挑戦する青山には、秘策があった。エース岩隈直伝のフォークだ。WBCなど世界にも通用した伝家の宝刀。自由自在なコントロールとキレを持つ投げ方を教わった。「浅く握ってベースにワンバウンドさせるつもりで投げろと言われました。これがいい感じなんです」。雨天の久米島で輝くベビーフェースの笑顔が、確かな手応えの証しだった。

 14日の紅白戦で試した。先発して3回無失点と好投。星野監督から「トータルでは合格点」と、おほめの言葉ももらい、上々のスタートを切った。16日の紅白戦では、八戸大の後輩・塩見が2回1失点と力投。食事に誘い、プロの心得などをアドバイスしており「2人で先発ローテに入りたい」という野望を持つ。今は2軍で基礎から学んでいるルーキーの存在は、何よりの発奮材料だ。

 今季から統一球が導入され、昨年までと変化球の曲がり具合に微妙な違いを感じている。「シュートはかなり動くけど、スライダーがいまひとつ」と話す。これまで鋭く落ちた決め球スライダーが、どうもキレが悪い。それを補う新しい武器として、また先発転向にあたって球種を増やしたいと、たどり着いたのがフォーク習得だった。

 17日はブルペン入りせず、強化メニュー中心に汗を流した。昨季は41試合に登板して5勝1敗1セーブ、防御率1・72と堂々の数字を残した。15ホールドはチーム最多タイ。「去年いい経験をさせてもらって自信もついた。それを先発で生かしたい」。先発は岩隈、田中、永井、ラズナーが当確。残り少ない椅子に、新球フォークで勝負をかける。【柴田猛夫】

 [2011年2月18日11時20分

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