西武に秋山が帰ってきた。ドラフト３位の秋山翔吾外野手（２２＝八戸大）が２２日、南郷スタジアムで行われた韓国・斗山との練習試合で観衆を沸かせた。最初の打席で中越え二塁打を放つと、６回には決勝犠飛を放つなど２安打１打点。守備でも２回１死一塁で、中前打を処理し、三塁を狙った一塁走者を楽々と刺すなど強肩をアピールした。

　その裏には新人離れした賢さがあった。休み明けなのに重く感じる体を自己分析し、試合前の打撃練習までは長く持っていたバットを試合の打席から指２本分短く握った。「アピールしようと、飛距離も追い求めていたけど、自分はそういうタイプじゃなかったって気付いたんです」。この日はコンパクトなスイングができた。２本の安打はともに中堅方向へ。内容のある安打となった。

　秋山といえば、西武には現ソフトバンク秋山監督がいた。黄金時代の３拍子そろった活躍と巨人、広島との日本シリーズで披露したバック転でのホームインは西武ファンの目に焼き付いて離れない。そのせいか温かい声援が飛ぶ。「バック転して！」という声も笑って受け止める。「秋山という名前で西武に入って得をしたって思う。すぐに名前を覚えてもらえますし」。同姓の偉大な先輩の“七光”をしっかり受け止めている。

　秋山監督の現役時代ほどのパワーはないが、５０メートル走５秒９の俊足と、走攻守そろった共通点は魅力だ。渡辺監督も「今日はいいアピールをしてたね」と目を細めた。栗山以外は決まっていないという外野手のレギュラー。開幕戦のフィールドに立つために、その名を売り続ける。【竹内智信】

　［2011年2月23日9時1分

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