阪神真弓明信監督(57)が6日、巨人との練習試合で「時間制限」を見据えたサプライズ起用に打って出た。7回表の攻撃が終わると、審判に選手交代を告げた。その直後、間違いかと目を疑う光景が広がった。関本が二塁に入り、大和が一塁の守備に就いた。通常なら逆だが、言い間違えたわけではなかった。

 真弓監督

 こういうこともある。(大和は)最後に出てくる選手だから、いろいろこなせたほうがいい。

 今季は節電のため、試合時間の短縮が課題。延長戦で3時間30分を超えた場合、次のイニングに入らないという特別ルールが生まれた。この対策となると、指揮官に迷いはない。「9回までに勝つことを考えないと。チャンスと見たら、何人もつぎ込むことがある」。早い仕掛けで9回決着を目指す方針を明かしている。ただ実行すれば、ベンチが空っぽになる可能性がある。非常事態を想定しての起用だった。

 大和は新井良のミットを借りて、一塁に走った。「練習はしていないが、サードの反対側と思い、プラスに考えた」。邪飛を2度捕球するなど、無難にこなした。チーム内でも屈指の守備力を誇るだけに、急造でも十分に務められそうだ。

 「ベンチに入る選手も限られてくるし、あちこち守ってくれるとベンチも楽になる」。真弓監督はマルチプレーヤーの活躍を期待した。ブラゼルが退き、関本&新井良が代打で出て、誰もいない?

 そんな心配はご無用だ。【田口真一郎】