ソフトバンクの守護神・馬原孝浩投手(29)が悲痛な思いを胸にプロ8年目のシーズンを迎えることになった。10日深夜に母孝子さん(享年57)ががん性髄膜炎で死去。12日は熊本市内で行われる告別式に臨み、チーム帯同は開幕2戦目の明日13日に決定。ストッパー不在の開幕戦を迎えるチームは、一丸となっての白星発進を誓った。

 ソフトバンク守護神・馬原の姿が、敵地京セラドームの全体練習になかった。チームが大阪入りした前日10日の深夜。最愛の母孝子さんが亡くなった。がん性髄膜炎のため、享年57で旅立った。福岡市内の病院で看病を続けていた馬原は最期をみとることができたという。

 気丈にも馬原はシーズン開幕の12日に大阪入りし、チーム合流を直訴した。だが、ストップをかけたのは首脳陣。馬原は今日、熊本市内での告別式にのぞみ、開幕2戦目の明日13日にチーム帯同することが決定した。

 秋山監督は沈痛な表情を浮かべて、ストッパーの心情を思いやった。この日、馬原と直接電話で話をしたことを明かし「とても残念。本人は『(開幕から)来たい、スタートしたい』と言っていたが、やるべきことをやってきた方がいい。初戦はいないが2戦目から頑張ってもらう」と話した。

 馬原は3週間ほど前から母を熊本から福岡の病院に呼び、練習や試合後に連日病院を訪れていた。首脳陣も遠征帯同を免除するなど配慮していた。

 馬原の人情の厚さは、グラウンドでの闘志にも重なるものがある。ファルケンボーグや摂津には事実上連投制限があったが、馬原にはなかった。シーズンに入れば点差にかかわらず、登板指令が下ればマウンドに向かった。球団記録でもある通算161セーブを稼いでいる右腕の開幕不在に、チームの誰もが「一丸」の2文字を意識した。

 秋山監督は今日の11年初戦で、ストッパー不在を総合力で乗り切る決意を固めた。「馬原の分もね。そういう(抑えを出さない)展開になればいい」。

 野手陣はカブレラ、内川、細川の大補強に成功した豪華メンバーが並ぶ。先発にはサウスポー和田を擁した。「最後に必ず1位になる。日本一をとるんダという強い気持ちを持って、最初からマックスでのぞみたい」と言い切った。

 明日13日、馬原はグラウンドに帰ってくる。今年も守護神として快投を演じ、チームを勝利に、優勝に導くはずだ。天国の母に見守られながら。【松井周治】