楽天は2日、球団創設7年目特別企画ユニホーム「イーグル・レインボー」を発表した。チームカラーのクリムゾンレッドを含む7色で構成され、交流戦主催4試合(28、29日阪神戦、6月11、12日中日戦。すべてKスタ宮城)で着用する。今月8日西武戦(Kスタ宮城)に避難所の方100人を招待することも決定。ファンの夢をかなえるために戦い抜く。

 赤を基調としたグラデーションに、イヌワシの力強いイラストが映えた。虹色ユニホームに袖を通した永井怜投手(26)は「7色に球団の歴史が刻まれている気がします」と誇らしげに言った。今年で7年目。くしくも星野仙一監督(64)の背番号「77」にも通じ、“節目”の年にふさわしいデザインとなった。

 コンセプトは「虹=夢の懸け橋」。オフから企画されていたが、3月11日に未曽有の大災害が起きた。被災地域の球団として、こういうときこそ、みんなで「夢」を追い求めよう。そんな思いを受けた青山浩二投手(27)は「被災された方に、このユニホームで勇気を与えられたら」と願った。4試合を終えた後、チャリティーオークションに出され、収益は全額、震災孤児の支援金として寄付される。

 ユニホームだけじゃない。8日の西武戦には宮城県内の避難所で生活を続ける方100人を招待する。開幕前に避難所を訪れた星野監督は「野球が見られる環境になったら、必ず、みなさんを球場に招待します」と約束していた。有言実行。球団は、避難所とKスタ宮城を結ぶバスも手配する。

 球団の営業担当者は、大震災でスポンサーから契約料値下げを求められると予想したという。だが、反対に「大変でしょう。もう少し払います」と言ってくれた広告主も少なくなかった。100社以上あるが1社も降りなかった。家を失った年間シート購入者からは「券まで奪わないで」と真顔で言われた。ファンに支えられ、プロ野球は夢の体現者たりえる。みんな、イーグルスの活躍を願っている。【古川真弥】