<広島3-2横浜>◇3日◇マツダスタジアム
広島が堅守で“弔い星”を演出した。横浜戦で3番右翼・広瀬純(32)のレーザービーム、7番中堅・丸佳浩(22)のフェンス激突キャッチなどスーパープレーを披露した。4月末に兄龍一さん(享年25)を交通事故で亡くしたドラフト1位ルーキー福井優也投手(23)の2勝目をバックがアシスト。チームの連敗も2で止まった。
広瀬の強肩がスタンドのため息を歓声に変えた。2点リードの7回表。2死二塁のピンチを迎えていた。マウンド上は先発福井の後を受けたシュルツ。広瀬は横浜の代打・内藤の右前打を捕球すると、矢のような本塁送球で二走・吉村を刺した。3万人超に膨れた本拠地マツダスタジアムに、割れんばかりの拍手と歓声が響く。ファンの度肝を抜くレーザビームで流れを渡さなかった広瀬は「福井君に勝たせたかったので」と振り返った。
悲しみを胸にマウンドに立つ福井を、バックが支えた。まずは初回の1死一、二塁。右中間を襲った4番村田の打球を、広瀬がスライディングキャッチ。先制点を防いだ。「福井君が崩れそうな感じだったが、立ち直ってくれた」。さらに6回1死二、三塁だ。今度はセンター丸がスレッジの右中間への飛球をフェンス激突キャッチ。中犠飛の1点のみでしのぐ美技にも「普通のプレーですよ」と受け流した。
広瀬は昨年ゴールデングラブにも輝くなど堅い守備と肩の強さは証明済み。大分県臼杵市生まれ。「携帯電波が届かないほどの秘境でプロ選手一の田舎モノ」と振り返る故郷の河原で、石を投げふけ、地肩を鍛えた。昨年末から一部携帯の電波も届くようになり「おかげさまで電波塔がね。助かりますよ」と笑う。緒方守備走塁コーチは「肩だけじゃなく、補殺までのイメージがあるからこそ任せられる」と広瀬の無駄のない動きを評価する。
守り勝ちに指揮官も感謝した。右中間コンビに加え、遊撃梵も美技を披露。終わってみれば1点差逃げ切りの接戦だった。野村監督は「今日は相手の得点を防ぐプレー、守備力が大きかった」とねぎらった。特別な思いを胸にマウンドで奮闘したルーキーを先輩全員でもり立てた。【佐藤貴洋】



