<楽天0-2日本ハム>◇10日◇Kスタ宮城

 微妙な判定に泣いて星野楽天が4連敗だ。本拠地での日本ハム戦は0-2とリードされたまま終盤8回へ。1死一塁の場面で聖沢諒外野手(25)が遊ゴロを放ち、一塁へ先に到達したかに見えたがアウトだった。星野仙一監督(64)が就任後初めてベンチを飛び出し、「アウトだったら行かない」と猛抗議したが、覆らず好機がついえた。結局、ダルビッシュの前に15三振を喫し完封負け。

 星野監督が三塁側ベンチから大股で駆けてきた。8回1死一塁で聖沢が三遊間への深いゴロを放つ。送球より早く駆け抜けたように見え、聖沢も両手を広げセーフを確信していた。だが、中村塁審は自信を持ってアウトのコールだった。「アウトなら行かない。ベンチから見て、セーフ。みんなにはどう見えたか、分からないが」と監督。本拠地全体を包んだ「えぇ~~」という声が、遠めでもセーフにみえるタイミングを端的に表していた。

 顔を突き合わせ激しい口調で抗議した。だがホームランのビデオ判定とは違う。監督自身「覆ることはない」と分かってはいたが「あそこは大事な場面だった」。試合の大きな潮目である以上、黙っているわけにはいかなかった。エース岩隈とダルビッシュとの投げ合い。6回に岩隈が2ランを許した。「ダルビッシュがいいピッチャーなのは間違いない。1、2点勝負になるのは覚悟していた」。実に重たい主導権を握られていた。8回の一塁走者は、ダルビッシュがこの試合初めて与えた四球によるものだった。終盤に見せた、ほんのわずかの傷口を広げることができず、完封負けを食らった。

 日本球界最高峰の右腕に、自己最多となる15三振を奪われた。最速155キロの直球を軸に、スライダー、ツーシームをベース板の左右に、目いっぱいでまぶされた。3三振の岩村にはインローへのスライダー。2三振の山崎にはアウトローへのスライダー。大きな軌道で徹底的に突かれた。山崎は「風もあったが、あれは曲がりすぎ。相当に曲がっていた。あのクラスになると、追い込まれたらケンカにならない」。楽天打線の調子を語る以前の段階で、ダルビッシュのデキは文句の付けようがなかった。

 先週火曜日はソフトバンク和田に完封負け。以降、西武牧田、ミンチェ、ダルビッシュと、丸1週間で4度、完封負けの憂き目に遭っている。星野監督は「『生みの苦しみ』という言葉を、簡単に使いたくはないんだが…。1本出ればつながっていくと思う。今はじっと我慢するしかない。私が打席に立てるわけじゃないんだから」と達観したように言った。ゲキも飛ばした。懸命さも伝わってくる。選手を信じて待つ。【宮下敬至】