<楽天1-2阪神>◇29日◇Kスタ宮城

 阪神真弓明信監督(57)は一瞬だけ安堵(あんど)の表情を見せた。相手先発が左腕の場合の連敗を「7」でストップし、最下位から脱出。しかし、この日も5安打。貧打という課題の克服からはほど遠い。打線のさらなる奮起を問われると「もちろん!

 どれだけがんばってくれてもいい」と語気を強めた。借金はまだ7個も残る現状に、すぐに表情を引き締めた。

 中盤までお手上げの試合展開だった。初回に先頭のマートンが右前打で出塁してから、7回2死までノーヒット。凡打の山を築いた。「どこかで何とかしないと、という中で2アウトから新井が出て、ホームランだから。カネがよく打ってくれた」。焦りが出始める中でのベテランの逆転2ランに最敬礼で感謝した。

 金本は打率2割台前半で低迷しているが、最近の打撃練習を見て、上昇の雰囲気を感じ取っていた。「上がってきてます。バッティングはね」。22日の西武戦から5番で起用し続け、その期待に応えてくれた。

 明日31日からは敵地で親交の深い梨田監督率いる日本ハムと2連戦が待っている。好調なチームだけに、苦しい戦いは続くが、ひとつずつ借金を返していくしかない。【田口真一郎】