<楽天5-4中日>◇11日◇Kスタ宮城
おじさんパワーがさく裂した。楽天山崎武司内野手(42)が中日3回戦(Kスタ宮城)で7号ソロを放った。40歳を迎えた08年から通算100本目。40歳代シーズンでの大台到達は門田(ダイエー=133本)に続く史上2人目の快挙だ。東日本大震災発生から3カ月の“節目”にチームは今季初めて3点差以上を逆転勝ち。引き分けを挟む連勝で3位オリックスに1ゲーム差と、一時のどん底から浮上の気配が見えてきた。
広いKスタ宮城の一番深い、左中間に豪快に放り込んだのがウソのようだった。山崎は試合後、苦笑いしっぱなし。「歯切れ悪い。最後がなあ。ホームラン打ったのに4タコの気分だ」。中学時代、相撲部屋からスカウトされたこともある巨体が肩をすくめた。5-4と最小リードの7回1死二、三塁。最終打席で中日平井のフォークに空振り三振。「あと1点が大きかった。4番の仕事をしないと」と、ひたすら反省した。
それでも、主砲の働きが効いた。3点を追う2回、先頭で中田賢の外角142キロを引っ張った。終わってみれば1点差。5回の逆転劇の伏線を敷く1発で、偉大な先人の領域に足を踏み入れた。史上2人目の40歳代シーズン100号。「いろんな記録がつくのはうれしい」が、やはり同じ名前が出てきた。不惑の本塁打王、門田博光。多くの最年長記録で必ずのように立ちはだかる。「門田さんは133本か。超えたら大したもん。超えたいな」と、飛ばし屋の血がたぎる。
大台到達を喜んだのはファンも同じ。あれから3カ月。復興は道半ばも至らないが、週末デーゲームは家族連れでにぎわった。「物も気持ちも徐々に復興していく。少しでも、僕らが楽しい娯楽になればいい」。気持ちに偽りはない。行動で示したことがある。
開幕が延期され、仙台にも戻れず全国を転々とした4月上旬。大阪で練習試合後、選手全員で街頭に立ち募金を呼び掛けた。山崎も自慢の大声を響かせたが、若手数人が後方で声も出さずにいたのが目についた。宿舎に戻り一喝した。
山崎
人として許せんかった。腰掛けなら、やらん方がいい。被災者の方に失礼。説教こいたのは、彼らに分かって欲しかったから。分からないなら、ユニホームを脱ぐしかないな。
痛烈な言葉は先ある若手を思ってのこと。嫌われ役もいとわないが、厳しく言う分、バットでも魅せた。
12試合ぶりの本塁打で通算400号も、あと2本。チームも上昇気流に乗りつつある。「雰囲気、変わったよ」。次もまた、勝利を呼び込むアーチを描く。【古川真弥】



