<ソフトバンク1-3ヤクルト>◇12日◇福岡ヤフードーム

 3万6735人ファンのため息がもれた。9回2死。代打田上が左飛に打ち取られ、ソフトバンクの8年ぶり本拠地Vは幻となった。05年以降最多となる大観衆の前で、連勝が6で止まる交流戦2敗目。2年ぶり3度目のVは最短15日に先送りとなった。

 秋山監督

 もう1本(ヒットが)出ればね。また明日、明後日、しあさってだ。

 前日にドでかい1発を放ったカブレラを欠いた打線が振るわず、史上最速でのVは逃した。指揮官がすぐに気持ちを切り替えたように、誰1人悲観する者はいない。交流戦は残り4試合でマジック2。五分でいっても優勝が決まる絶対的な優位は変わらない。

 打線も意地を見せ、明日以降のVへ勢いをつけた。3点を追う最終回。松中信彦外野手(37)がヤクルト守護神の林昌勇からファンの待つ右翼席へ3号ソロを放った。松田も中堅フェンスぎりぎりへの大飛球。無得点で沈んでいた球場内がこの日一番の盛り上がりを見せた。

 松中

 いい打ち方ができた。次につながると思う。準備だけは怠らずやっておく。

 ベンチスタートが続く松中は交流戦2度目の先発出場で、1発という結果を残した。これで、11日に1カ月ぶり先発で3号ソロのオーティズとポジション争いはまた激化する。最強布陣を試すように、じっくり交流戦Vに歩を進める。【倉成孝史】