<オリックス2-1ソフトバンク>◇3日◇京セラドーム大阪

 岡田采配ズバリやん。オリックスが2戦連続のサヨナラ勝ちだ。完封負け寸前の9回1死から1日に3ラン2本のマイク・ヘスマン内野手(33)が同点打。さらに左の大砲李承■に代えた荒金久雄外野手(32)がサヨナラ打を放った。サヨナラ勝ちは連チャンするという岡田理論は的中し、今季初の同一カード3連勝。大坂夏の陣で大勝利を収めた。

 荒金を袋だたきにした赤ユニホーム軍団が一塁ベンチ前で整列し、スタンドの凱歌(がいか)はさらに大きくなった。4年ぶりの2戦連続サヨナラ勝利。したり顔の岡田監督が口を開いた。

 「1回出ると、出るんよ、サヨナラって。そんなもんよ、野球は」。

 結末を予想していたと言わんばかりの高笑い。選手起用がきれいに決まるのだから痛快だったに違いない。

 摂津の牙城を崩せず迎えた9回。先頭後藤が二塁に頭から滑り込み、1死から兵州男ことヘスマンだ。フルカウントからカーブにバットを折られながら左前にポトリと落とす同点打。

 「あのシンカー、右の方が打ちやすそうやからヘス、行ったんや。右(投手の摂津)やけど右でな」。

 3ラン2発の1日から先発起用を続け、今季2度目の猛打賞。岡田将軍の起用がはまった。送球エラーの間に二塁へ進み、代走森山。摂津をKOし、森福が出てくると次なる用兵は李承■の代打に荒金だった。

 「おおっ、ちゅうちょなかった。打てるヤツでいくよ。状態いいよ」。

 日韓通算468発の大砲を下げ、1軍昇格から8打数4安打の伏兵で勝負。見事、初球を左翼に運び去った。荒金はダイエー時代の04年6月22日以来、2度目のサヨナラ打だ。「振っていけと言われ、自分を信じた。甘いところに来たら1発でいこうと思った」と振り返った。昨年途中まで所属した古巣の森福とはかつて福岡市内で同じマンションに住んでいた。階上にいた後輩から会心の1本を引き出した。

 「大坂夏の陣」で首位ソフトバンクを相手に今季初の同一カード3連勝。逆襲の赤という球団の企画設定もピタリ。今季最多の貯金2で、試合後の岡田将軍は野手陣に褒美を与えた。

 「6連戦で1日空いて9連戦。この9連戦が勝負よ。いい形で勝って、明日はみんな休みよ」。

 猛牛軍に反攻の秋(とき)がきた。【押谷謙爾】※■は火ヘンに華