<オールスターゲーム:全セ9-4全パ>◇第1戦◇22日◇ナゴヤドーム

 全セ落合博満監督(57)の「9人継投」が、球宴を盛り上げた。セ6球団が誇るクローザー、セットアッパーをずらりと並べた豪華リレー。「各チームのエース級は(前半の)最後で投げたばかり」(同監督)という日程上の苦肉の策だったが、全パの強力打線にビッグイニングを許さなかった。

 勝利投手となった横浜山口は「こんなところで初勝利を挙げられるなんて…。打者の人に感謝です。びっくりしました」と喜んだ。2点を追う5回に5番手で登板。オリックス坂口には落差の大きなフォーク、西武銀仁朗には150キロの剛速球で、空振り三振を奪った。3者連続三振こそ逃したが、反撃の流れを呼び込む快投。2年連続2度目の出場。昨季は横浜から唯一の出場で寂しい思いをしたが、今年は存在感を見せつけた。

 普段は試合の終盤に登場する9人だ。慣れない舞台に戸惑いもあったが、誰もがマウンドを楽しんだ。先発した中日岩瀬は「できるだけ長くいようと思ったけど、長くいるもんじゃない」と頭をかいた。2回に登板した横浜江尻はアップのタイミングが分からず、試合前からそわそわ。周囲から「どれだけ緊張してるんだ」と突っ込まれた。落合監督から「楽しんでこい」と送り出されたヤクルト林昌勇は1失点にも「面白かった」と満足そうに振り返った。4番手の巨人久保は無安打ピッチング。無失点に抑えた投手も、そうでない投手も、みんなが笑った。夢の球宴。たまにはこんなリレーがあっていい。【鈴木良一】