<ロッテ0-4楽天>◇29日◇QVCマリン

 楽天は先発永井怜投手(26)が2安打完封、目下最大の敵である3位ロッテとの差を0・5とした。雨が降ったりやんだりでほぼ無風。湿気充満の敵地マウンドも「ボールがいい感じにシットリとして、よく指にかかった」と意に介さなかった。捕手嶋との呼吸も合い、序盤封印していたフォークボールで中盤以降は相手をもてあそんだ。「予報が悪かったので無駄な球を極力なくして」と、5回から3者凡退を続け111球でフィニッシュ。「上を目指していきます」と頼もしかった。

 本来のローテ順なら、28日のソフトバンク第3戦に登場だった。1日送ってこの夜に出番が回ったのは星野監督のスパイスだった。

 前半戦を終え、投手陣全員の今季通算投球数を洗った。キャンプ、オープン戦、練習試合。開幕後のブルペン投球。永井の積算は5000球近くに達し、右肩違和感で抹消もあった。田中とは1000球近くの差がありトップランクだった。「ここからは、コンディションが特に重要になってくるから。しっかりこちらで管理して、いいタイミングで送りたい」。真夏の過密日程を見据えた繊細な配慮があった。

 ロッテを直接たたくことは、Aクラスが近づくことを意味している。星野監督は「ボールのフォークでうまくゴロを打たせた」と投球術を絶賛。岩隈に続いての復調でローテは固まったか、との問いには「甘いな」と不敵に笑った。自慢のローテを集中管理し混戦に断を下す。【宮下敬至】