<ソフトバンク1-2楽天>◇20日◇福岡ヤフードーム

 愛情いっぱい、はたかれた。12勝目を引っ提げベンチに戻った楽天田中将大投手(22)が、ニヤリと笑った星野監督に頭をパシッ。「みなさんを冷や冷やさせて申し訳ないです」と恐縮しきりだった。2-0の9回、2死から「力んだところもあった」。2安打1四球で1点を返され、なお満塁の土俵際で踏ん張った。最後はソフトバンク長谷川を二ゴロ。「勝った気がしない」と吐息を漏らしたが、紛れもなくチームの連敗を2で止めた。

 防御率はともに1点台。エース左腕を向こうに、3回まで互いにパーフェクトを演じた。先に失点、即「負け」が決まるような緊迫戦で「なんとしても杉内さんに勝ちたかった」。5回、先頭松中に許した初安打から無死一、二塁を招いた。ここから球威の鬼と化した。「狙ったわけじゃない」併殺を、松田から外いっぱい146キロで奪う。続く長谷川は2ストライクから再び外いっぱい152キロ。反応の余地をみじんも与えなかった。最高の1球で見逃し三振を奪い、8回の味方の先制につなげた。

 使命感を抱いていた。前々回7日の日本ハム戦で自己ワーストタイ7失点。チームは3連敗となり、そこから、さらに4つも負けた。「今日も連敗すると、流れが悪くなる。何としても勝ちたかった」。連敗を止められなかった責任をしょい込み続けていた。試合前の時点で3位ロッテと3・5ゲーム差。日本ハム、ソフトバンクの2強と9戦続く中、逆転Aクラスには、もう連敗は出来なかった。

 最後のピンチも、星野監督は「ちょっと冷や冷やどころじゃない。久しぶりに、ときめいたよ。2人ともいい投球をして」と堪能した。田中は「いいふうにとらえれば心が引き締まった。次はビシッと抑えたい」。田中VS杉内。1週間後の27日、場所を仙台に移し再び激突濃厚だ。【古川真弥】