<ソフトバンク2-7楽天>◇21日◇福岡ヤフードーム
ルーキーが苦しんで5勝目ゲットだ。楽天塩見貴洋投手(22)がソフトバンク戦に先発。毎回安打を許しながらの投球だったが、5回を投げ2失点だった。ただ打線が序盤から活発に援護。4回、4連打で勝ち越しに成功し、左腕に2日西武戦以来となる白星をプレゼントしてくれた。パ・リーグの新人勝ち頭となったが「意識しない。おごらず、もっともっと勝ちたい」と貪欲だ。誰もが苦しむ夏場を乗り越え、チームに貢献する。
強力打線に仁王立ち、とはいかなかった。塩見自身、「バランスが悪くて、腕だけで投げたような感じになってしまった」と万全でないと自覚していた。それでも辛抱強く、低リスクの外角にボールを集め続けた。あと1本を許さず5回2失点でお役御免。仲間の援護も借りて5勝目をもぎ取った。
プロ初先発初勝利を挙げた相手と舞台。復調のきっかけをつかむには申し分なかった。だが立ち上がりから毎回安打を許し、自軍の守備時間を長引かせてしまった。1番川崎に2安打、4番松中には3回、中前適時打を許した。いずれも外角球をセンターから左方向へ流し打たれた。捕手伊志嶺との打ち合わせで、内角の配分を意識的に減らしていた。ゲームプランを差し引いても、強いくさびを打つことが出来ず、各打者に踏み込まれた。
球種がシンプルだけに、打者の左右にかかわらず、内角をいかに突けるかが生命線となる。1週前のロッテ戦も5回途中KO。懐を起こせず痛打されていた。
塩見
下半身をうまく使い切れず、体の開きが早い。だから思うようにインコースに投げ抜くことが出来ていない。ボールも高い。頭で分かっているんですけど、体が言うことを聞かない。暑くて指先がぼんやりした感覚になりますし…。
日付が変わるころ、誰もいなくなったクラブハウスから神妙な顔で現れ口にしたのは、一線を張る選手がみな通った連戦の苦しさだった。「何かを変えて、状態を戻さなくては。やっぱり調整ですかね。試合で100の力を出せるよう、工夫してみます」。ランニング量を通常の8割に落とした。右翼~左翼と全力で走り飛球を受ける「アメリカンノック」もメニューから外した。手を抜くのではない。新人が精いっぱい頭を使って導き出した、自己管理の手段だった。
残り44試合。楽天のAクラス入りには唯一の左腕ローテである塩見の働きが不可欠だ。星野監督の「コントロールが悪く、球数も多かった。今日の勝ち投手は山村だ」との厳しい言葉。かかる期待の裏返しである。【宮下敬至】



