コバヒロ、ついに2軍降格…。不振が続く阪神小林宏投手(33)が28日に出場選手登録を抹消されることが27日、確実になった。昨オフFAで加入したが、ここ3試合連続で失点。終盤のV争いを見据え、早めの2軍再調整に踏み切る。ヤクルト戦は雨天中止となり3位タイに後退したが、態勢を整え再出発する。

 午後4時過ぎ、豪雨が甲子園に打ちつけ始めた。首位ヤクルトとの3連戦2戦目は午後6時10分、雨天中止が決定。ただ、2連勝の余韻に浸っている暇はない。真弓阪神がついに決断を下した。オフの補強の目玉、FA獲得したセットアッパー小林宏の2軍降格が確実となった。

 致し方なしの結論といえる。特にここ最近は不振続きで苦しんでいた。18日広島戦(京セラドーム大阪)は1点リードの8回に登板し、1イニングを2安打2失点(自責0)。逆転劇を許す痛恨のマウンドだった。同20日横浜戦(横浜)では3点リードの8回に登板し、1/3回を3安打1失点。2試合連続で不安定な投球となり、“リフレッシュ休暇”を科せられていた。

 接戦での「勝利の方程式」から降格し、5試合ぶりマウンドとなった前日26日ヤクルト戦(甲子園)でも復調をアピールできなかった。6点リードの8回に登板し、1/3回を1安打1四球2失点(自責0)。「直球が高かった。走者が出てから高くなった」。味方失策にも泣いたが、3試合連続で失点し、2試合連続で1イニングを投げきれなかった事実は重かった。この試合が決め手となった。

 もちろん、逆転V奪回に向けたキーマンの1人であることに変わりはない。阪神1年目で「球児の前」という重責を任され、40試合登板で1勝5敗、防御率2・87。調子を崩す場面もあったが、フル回転してきたのは紛れもない事実だ。FA右腕の穴は簡単に埋められるモノではない。

 チームはすでに7月30日、欠かせないセットアッパーの1人、榎田の1軍登録を抹消。鳴尾浜で疲労を回復させ、8月12日に1軍復帰させた。その後、ルーキー左腕は調子を取り戻し、8試合連続で無失点投球を続けている。小林宏も同様に2軍で状態を上げ、勝負の9月、10月に備えさせる。

 首位ヤクルトと4・5ゲーム差で残り46試合。猛虎が一戦必勝を貫きながら、先も見すえて土台を作り直す。