<楽天0-4オリックス>◇6日◇Kスタ宮城

 9月12日に海外移籍が可能となるFA(フリーエージェント)権利を取得する楽天岩隈久志投手(30)に対し、ボルティモア・オリオールズが本格的な調査を行っていることが6日、分かった。岩隈はこの日、3位攻防初戦となるオリックス戦(Kスタ宮城)に先発。オ軍関係者2人が投球を直接チェックし「彼のFA(取得)は12日だね。来週もう2人、視察に来る」と明かした。シーズン終盤に4人もの編成担当者が視察することは異例で、獲得に向けた本気度の表れといえる。

 ツインズ、ジャイアンツ、ダイヤモンドバックスの各球団関係者も仙台へ足を運び、岩隈を直接見た。だがオ軍のトーンは少し違った。獲得意思については「シークレット。他球団もいる」とした。その上で、日本を代表する制球力を誇る投手に対し、高い評価を下す球団姿勢の一端を明かした。「上原の例がある。彼は移籍してしまったが、非常にいい仕事をしてくれた」と、08年オフ、オ軍にFA移籍し活躍した右腕の名を挙げ説明した。岩隈はこの日、6回4失点で4敗目を喫したが「特に悪いようには見えなかった」と変わらぬ姿勢も口にした。

 後半戦に入り岩隈の投球をチェックしたメジャー球団は、この4球団に加え、アスレチックス、パイレーツがある。ア軍は昨年ポスティング入札の上、独占交渉権を獲得したが契約合意に至らなかった。パ軍はGMが調査を継続していると明言している。今オフのFA市場には先発投手が少なく、日本ハム・ダルビッシュと並び、岩隈の動向も注目が集まっている。