<オリックス1-0楽天>◇13日◇ほっともっと神戸

 楽天岩隈久志投手(30)がオリックスとの3位攻防戦初戦で貫禄の投球を披露した。6日の前回対戦で4敗目を喫した相手に、フォークボールを修正するなどして7回2安打無失点。打線の援護がなく白星こそつかなかったが、尻上がりに調子を上げるタフな投球を見せつけた。中5日登板が予想される次回の19日ロッテ戦に向けても意欲十分。ペナントレースの勝負どころに向け、右腕が頼もしさを増してきた。

 同じ相手に2度やられるほど、楽天のエースを張り続けてきた岩隈はヤワじゃなかった。ちょうど1週間前、6回4失点KOされたオリックスが相手。しかも先発は、同じ金子千だった。「前回は悪かったけど、自分の仕事はしっかり出来たかなと思います」。7回を被安打2、無失点なら申し分なかった。

 100キロ前後、緩いカーブを効果的に使った。普段はカウントを整える意図で、1試合に5球まぶす程度。この夜は勝負球としても積極的に用いた。佐藤投手コーチが「クマは今シーズン、ずっと練習してきたボールだ」と証言する球種を、シーズン最終盤のこの時期に、自由自在に使い切った。1週間前の残像か、オリックス打線はモロに面食らっていた。「今日は良かった」と自認する代名詞・フォークボールとのコンビネーションで、2度の4連続を含む合計9奪三振。3~5番のクリーンアップから5個奪い、怖い打線をど真ん中で寸断した。7回は先頭T-岡田から3者連続三振。珍しく青いグラブをたたき感情をあらわにし、後続に託した。

 延長10回、4番手青山がバルディリスにサヨナラ本塁打を打たれ敗れた。岩隈は「チームが勝てなかったのが悔しい」と言い「次、月曜日。中5日をしっかり調整して臨みたい」と結んだ。温厚で寡黙なエースが、投げ終わった直後にもう次戦を見た。

 右肩違和感で約2カ月を棒に振り、雌伏の時を過ごしてきた。後半戦で復帰後は慎重に球数を伸ばしてきた。この日の球数は108。大事を取った降板かと言えば、意味合いが少し違った。Aクラス入りへ、いよいよ勝負手を打つ。エースの登板間隔を詰め、ラストスパートをかける。【宮下敬至】