<オリックス2-4楽天>◇1日◇京セラドーム大阪
これが、田中の投げざまだ。楽天田中将大投手(22)が8回2失点で、再び日本ハム・ダルビッシュと並ぶリーグトップタイの17勝目を挙げた。3点リードの8回、4安打で1点を失い、なお1死満塁のピンチで踏ん張った。2者連続の空振り三振で切り抜けた。この日でパ・リーグの優勝は決まったが、チームのために勝利を目指す気持ちに変わりはない。
狙った。田中は3点リードの8回、4安打を浴び1点を失った。なお1死満塁で「自分でつくったピンチ。三振を取るしかない」。オリックス李承■をワンバウンド極上スプリットで空振り三振。既に球数126も関係なし。続く赤田には152キロ、152キロ、152キロの3連発。振らせるスキを一寸も与えない。カウント1ボール2ストライク。最後はアウトロー150キロで空を斬らせた。腕を振り切り半回転。中堅方向に「シャッ!」とほえた。
9安打を許し「いまいちの投球だった」と、12球団トップ12完投の右腕は言った。8回130球で降板。“約束”を果たせなかった。後半戦に入り、救援陣に「今日は休んでください」と言ってからの登板が定番になった。「僕が完投しないと」と自覚十分だ。その心意気は伝わっている。小山は「あいつの後は一層、気合が入る。そんな機会も少ないですけど」。この日は野手も先制された直後に逆転した。田中も「感謝です」。絆は固い。
チームのために腕を振る。だから尋常ならざる悔しがりようだった。4回2死二塁、バルディリスに左前適時打を打たれた瞬間「ぐっ」と漏らした。「スライダーが甘くなって。本意ではない。2死で一塁も空いていた。もっと厳しくいかないと」。ベンチに戻ると目はうつろ。下を向き動かなかった。数秒後、右拳で自分の頭をコツンとたたいた。
まるで日本シリーズ第7戦で決勝打を浴びたよう。それぐらいの気持ちで戦っている。再びダルビッシュに並ぶ17勝目に「もちろん、意識はします」。ようやく口元に笑みをたたえたが、すぐに続けた。「でも、根本はチームが勝つことだけ。残り試合も少ないけどスタンスは変わりません」。一本気な田中の正直な思いだ。【古川真弥】※■は火ヘンに華



