白星、いただきました。楽天片山博視投手(24)が5回2死から8回まで打者10人を完璧に抑えた。リリーフとしては今季自己最長の3回1/3を投げ、オリックス戦の今季勝ち越しと2勝目をものにした。チーム最多登板を誇る中継ぎ左腕は、わずかに残るクライマックスシリーズ(CS)出場の可能性に懸け、シーズン最後まで投げまくる。

 長い腕を思い切り振った。3-3の5回2死二塁、3番手でマウンドに上がった片山は動じなかった。「とにかく抑えること」だけ考えた。オリックス後藤に対し1ボールからの2球目、内角高めに135キロ真っすぐをねじ込んだ。力ない一飛でピンチを脱した。

 流れをグッと引き寄せた。序盤に挙げた3点リードを、先発長谷部が4回に失った。そうして迎えた5回の場面。勝ち越されれば、流れは一気に敵へと傾きかねなかった。真っすぐを軸に、スライダー、チェンジアップを低めに集め、8回まで1人の走者も許さないパーフェクトだ。2勝目ゲットに「良かった」と素直に喜んだ。まさに救世主。でも至って謙虚に続けた。「自分は、まだまだです。課題がたくさん。T-岡田に投げたのなんか、高かったですから」。6回先頭、主砲を遊ゴロに打ち取ったが、高く抜けた直球を打ち損じてくれたものだった。

 1つ勝っただけで、おごりはしない。目指す場所が高いからだ。開幕直後、「僕には目標があります。球団記録を破りたいんです」と明かした。この日の登板で57試合目と、チーム最多をひた走る。交流戦で先発に回ったこともあったが、中継ぎ左腕では開幕からチームで唯一1軍を守る“勲章”だ。年間最多登板の球団記録は、08年有銘の66試合。残り11試合での記録更新は微妙でも、どんどん投げる覚悟は出来ている。

 星野監督も「久しぶりに直球で押す投球を見せたな。(5回の投入は)大事な場面だからな」と目尻を下げた。普段は片山に厳しく接することが多い。期待の裏返しだが、この日ばかりは褒めた。チームは3位オリックスとのゲーム差を6に縮めた。片山が勝負どころで投げれば投げるほど、CSの可能性も膨らむはずだ。【古川真弥】