日本ハムの来季新監督に基本合意している元ヤクルト栗山英樹氏(50)が17日、大役まっとう、球界復帰への強い意欲を見せた。就任する事実が判明して一夜明けたこの日、専任教授を務める栃木・小山市内の白鴎大での講義を終了後、取材対応し「仮定の話はできない。今は選手が戦っていますし、迷惑もかけられない。正式に(打診が)来た段階で考えるとしか言いようがない。何とも答えようがない」と話した。

 すでに心は、北海道に飛んでいるかのようだった。姓と同じ、道内にある栗山町に自身が発案した「栗の樹ファーム」を所有。野球をモチーフにした名作映画「フィールド・オブ・ドリームス」からアイデアを得て、内外野が天然芝、トウモロコシ畑が外野フェンスの球場を造った。そんな深い縁がある北の大地への熱い思いは、隠せなかった。

 栗山氏

 栗山町には栗の樹ファームというのもあります。ついのすみかと思ってつくった場所。日本ハムが移転してくる前からの話です。だから北海道に行ったときは、ただいまっていう感じ。(1年間で)延べ2カ月くらいは住んでいるんじゃないかな。北海道にはそういう意識はあります。

 今後、重要なポストシーズンを控える日本ハムのスタッフ、選手らに最大限の配慮はしつつ慎重に言葉を選んでいたが、決意を固めたことも示唆した。「求めてくれる人がいるなら、それはうれしいこと。(監督受諾の)気持ちは120%あります。誰よりも野球は好きだし、それは高校時代から変わっていないです」。

 正式契約、発表は日本ハムのポストシーズン終了後になるが、いちずな思いは隠せない。同氏の好きな言葉は「夢は正夢」。栗山氏の「フィールド・オブ・ドリームス」をかなえる舞台は12年、札幌ドームになる。