広島が来季の新外国人として米大カージナルス傘下3Aメンフィスのニック・スタビノア外野手(29)の獲得を目指して交渉中であることが4日、明らかになった。メジャー通算4本塁打にとどまるが、今季は3Aパシフィックコースト・リーグで、巨人や楽天が獲得を検討するブライアン・ラヘア内野手(29=カブス)らと並ぶリーグトップの109打点をマーク。今年28本塁打を放った長打力が最大の魅力だ。

 球団首脳は「とにかく振っていく選手。インサイドの球でも思い切り振って引っ張っていく。荒々しく、いままでのうちにはいないタイプだ。5、6番に置けばいいんじゃないか」と説明した。近年のカープ打線はスラッガーが手薄。今季は両リーグ最少の52本塁打に終わり、5位に低迷した最大の要因だった。スタビノアには4番栗原の後を打つポイントゲッターとして期待される。

 今季、3Aでは主に一塁手としてプレーしたが、外野経験も豊富で広島では左翼を任されることになりそうだ。球団首脳は「バーデンもいるし、起用の選択肢は広がるだろう」と説明した。野村監督もプレー映像を確認しており、近日中に球団から正式契約が発表される見通しだ。11月中旬にはセットアッパーとしてキャム・ミコライオ投手(27=ダイヤモンドバックス3A)を獲得しており、着々と来季陣容が整ってきた。

 ◆ニック・スタビノア

 1982年5月3日、米テキサス州ヒューストン生まれ。ルイジアナ州立大から02年ドラフト39巡目でアストロズに指名されたが入団せず、05年ドラフト7巡目でカージナルス入団。08年にメジャーデビュー。今季は3Aで133試合に出場し、打率2割7分、28本塁打、109打点だった。メジャー通算147試合に出場して打率2割3分4厘、4本塁打。189センチ、109キロ。右投げ右打ち。