【釜山(韓国)6日=押谷謙爾】日本最重量級の大砲が誕生した。オリックスが獲得した李大浩内野手(29=韓国ロッテ)が入団会見。2度3冠王に輝いた韓国の至宝は「すごく悩んだ。ただ、男として挑戦しなければならない気持ちがあり、その時期が今だ」と、日本行きを「男の挑戦」と熱弁した。

 国民的な打者の門出にテレビカメラ15台、日韓合わせて約100人の報道陣が押し寄せた。2年契約で破格の契約金2億円、年俸2億5000万円、出来高払いが年3000万円で総額7億6000万円。契約もでかいが、194センチ、130キロの巨体が、同席した岡田監督を「すごいな。130キロの野球選手、初めてや。でも、もっとだぶついてると思ったけどしまっとる」と驚かせた。午前は山登り、午後は水泳、夜はウエートトレーニングをしながら、この体重をキープしている。重量負担による故障を心配する首脳陣に「キャンプまでに125キロ以下にする」と約束した。

 通算225本塁打、世界記録の9試合連続本塁打。何もかもが大きい李大浩は「今まで野球人生で目標を立てたことはない。オリックスが優勝すれば個人成績が良かったということ。死球でも四球でも何でも出ることを誓う」ときっぱり。岡田監督からは100打点のノルマを課された。「目標は3桁はいってほしい。四球を選ぶ意識があるし、4番がそういう心得だと他の打者への影響も違う」と、打線の顔としての振る舞いを求めた。

 ◆李大浩(イ・デホ)1982年6月21日、韓国・釜山広域市生まれ。01年韓国ロッテに入団。当初は投手だったが、肩の故障で同年5月に打者転向。06年に韓国球界では22年ぶりの3冠王。10年も2度目の3冠王に。10年は9試合連続本塁打の世界記録も樹立。韓国代表でもWBCや北京五輪で活躍。194センチ、130キロ。右投げ右打ち。

 ◆過去の主な重量選手

 今季巨人に在籍したアルバラデホ投手が2月のキャンプ時に体重126キロ(球団発表は118キロ)で、プロ野球史上最重量選手とされた。アルバラデホは冬場に一時130キロを超え、10キロ絞ってもまだ126キロあったという。日本人選手では昨年、ドラフト史上最重量の115キロで亜大から中日に入団した中田亮二内野手が、今季107キロに落としても今なお日本人選手の現役最重量となっている。