ヤクルトが27日、「ポスト青木」として、暴れん坊で鳴らす新外国人、ラスティングス・ミレッジ外野手(26=ホワイトソックス傘下3Aシャーロット)の獲得を発表した。走攻守3拍子そろった右打者で、03年ドラフト1巡目(全体12位)でメッツに入団。メジャー通算33本塁打を誇る。1年契約で年俸は4500万円プラス出来高払い。2年目の契約は球団側がオプションを持つ。

 まだ26歳という若さで、大リーグ通算433試合に出場する。奥村編成部国際担当次長は、近年の外国人と比較して「能力、素材という面では頭ひとつ抜けている」と説明する。ただ学生時代は退学歴、メッツ時代は友人の歌手と一緒に発売した放送禁止用語満載のCDが問題になったり、チームメートとのトラブルなど、数々の逸話を持っている。比較的温厚な選手が多いヤクルトには珍しい存在になりそうだ。

 同次長は「ただ者ではないことは確か」と覚悟する。それでも獲得に至ったのは、今季あと1歩で逃した優勝のため。来季残留が決まったバレンティンは本塁打王になった一方で、打率はリーグ最下位とムラがあった。「チャンスで1本が打てるバッター」と、実力を重視した格好だ。

 背番号は本人の要望で、今季飯田外野守備走塁コーチがつけた「85」に。85年生まれからなのか、なぜか「5」と「85」を強く希望した。飯田コーチは「88」になった。今オフはベネズエラでのウインターリーグに参加。3Aでは主に5番を務めた。ヤクルトでは左翼を守る方針で、来春キャンプから合流。同次長は「まずは本人を知ること」と、コミュニケーション重視でチームに溶け込ませる考えだ。【前田祐輔】

 ◆ラスティングス・ミレッジ

 1985年4月5日、米フロリダ州生まれ。同州のレイクウッドランチ高から、03年ドラフト1巡目(全体12位)でメッツに入団。07年にナショナルズ、09年パイレーツにトレードで移籍。11年はFAでホワイトソックスと契約。大リーグ通算433試合で打率2割6分9厘、33本塁打、167打点、40盗塁。183センチ、93キロ。右投げ右打ち。独身。