ヤクルトのドラフト5位ルーキー、中根佑二投手(22=東北福祉大)が、来年1月7日に右ひざ前十字靱帯(じんたい)の手術を受けることが30日までに決まった。181センチ、83キロの体で、最速148キロの直球と多彩な変化球が持ち味。即戦力右腕として期待が高かったが、球団側とも複数回の話し合いを行い、異例とも言えるキャンプ前の手術を決断した。

 中根は「やると決めたら早い方がいい。いろいろな方と相談して決めました」と話した。ランニングなどの練習再開には約6カ月かかる見込みで、来季は治療やリハビリに専念することになりそう。「来年は無理かもしれませんが、1日も早く復帰したい」と言う。1月の入寮日時は新人8人の中で唯一確定していない。

 今秋の明治神宮大会では主戦投手として4強入りを果たした。短期の試合なら投げられる状態だが、1年間戦うプロでは難しい。球団側はドラフト指名前からケガの状態を把握しており、多少遠回りしても獲得するべき素材という判断があった。仙台育英では由規の同期で、控え投手として一緒に甲子園に出場。7日の新入団発表の席では「いつか162キロを出して、由規を超えたい」と誓った。その夢は13年シーズン以降に持ち越しになる。

 ◆新人の早期手術

 92年中日ドラフト1位の落合(日大)は、翌年1月に右肘にサファイアを埋め込む手術を受けた。97年横浜ドラフト1位谷口(町野)は12月の身体検査で右膝半月板損傷が見つかり、即座に内視鏡手術を受けた。08年中日ドラフト6位の小熊(近江)は、契約前の11月に右肘を手術した。球団が故障を承知で素質ある選手をドラフトで指名するケースはあり、中日の吉見、大野、オリックス金子千、香月(当時近鉄)らがいる。