楽天田中将大投手(23)が12月31日、新年の目標に「ノーヒットノーラン」を加えた。11年は、すさまじい数字のオンパレードだった。19勝、防御率1・27、勝率7割9分2厘、14完投、6完封等々。自己最高の成績を残したが「ノーヒットノーランは1回もやったことがない。野球人生で1度は、やってみたいです」と率直な思いを口にした。

 高校までの練習試合を含めても未達成という。惜しかったのは昨年5月13日のロッテ戦。7回1死までノーヒットも「意識してから投げ急いじゃって。フォームが崩れてしまいました」。3連打で1点を失った。結局、10回1失点も1-1の引き分け。だが、それで終わらない。「次、同じ場面になったら、もう投げ急ぐことはない」と経験を糧にする。

 大みそかも大忙しだった。民放からNHK紅白歌合戦の審査員とテレビ局をはしごした。引っ張りだこのオフもこの日で終わり。年明けとともに野球に専念する。「CSや日本シリーズをテレビで見るのは野球人として寂しい」。野球漬けの秋を迎えるため、ノーヒットノーランでも何でもやるつもりだ。【古川真弥】

 ◆ノーヒットノーラン

 プロ野球では過去に73人が計84度達成。84度の内訳は1リーグ時代21度、セ・リーグ37度、パ・リーグ26度で、2リーグ制後は75年から指名打者制を採用したパの方が少ない。パでは00年にエルビラ(近鉄)が西武戦で達成したのが最後で、ブランクはリーグ最長の11年になっている。