ファンの手で宙を舞う!

 中日高木守道監督(70)が5日、名古屋市内で球団&ナゴヤドームの年賀式に出席。お祝いムードに乗せられて「ファンから胴上げされたい!」と前代未聞の夢プランを披露した。3連覇してファンから胴上げ。ファン第一主義を掲げる高木竜が究極の目標に向かって突き進む。

 70歳監督が大きな夢をぶち上げた。250人の球団関係者らが見つめるなか、壇上に上がった高木監督は「ぜひともファンのみなさんにナゴヤドームに来ていただきたい。そのなかで大きな目標である3連覇を成し遂げたい」と宣言。あらためてファンサービスの重要性を再確認し、さらなる目標が浮かんだ。報道陣に囲まれて初夢を問われた時だ。ニコリと笑い、切り出した。

 「まだ(初夢は)見てないんだよ~。でも、ファンから胴上げされる夢だったらいいんだけどね」

 頭に描いたのは、リーグ3連覇を達成してファンから胴上げされる自身の姿だった。ただ、これを夢で終わらせるつもりはないようだ。「これだけ『ファンと共に』というフレーズをうたっているわけだから、そういう形で終われば最高。実際にやってくれるかもしれない」。決してリップサービスではない。目は真剣そのものだった。

 球団も全面協力を惜しまない姿勢だ。佐藤球団代表は「いろんなアイデアを考えていただけるのでサポートしたい」。実現するとなれば、危険性もあるため安全面も考慮してこれから検討していく。優勝の瞬間に実現しなくても、ファン感謝デーなどでできる可能性はある。

 そもそも監督が年賀式に出席することは落合監督時代にはなかった。この日はナゴヤドームの年賀式を掛け持ち。ファン獲得を呼びかけてまわった。

 「来てください、来てくださいだけではダメ。選手の意見を聞いて少しでもファンの方の要望に応えられるようにやっていきたい。選手にもそのつもりでやってもらいますよ」

 監督室やナゴヤドームの施設を見て回り、さらにその思いが強くなった。ファンが監督を胴上げするとなれば、前代未聞の珍事。だが、監督就任が決まった昨年9月からファン第一主義を掲げてきた同監督にとっては現実的な目標。ファンを愛し、ファンに愛されるチームを作り上げる。【桝井聡】