DeNAから巨人にFA移籍し、鹿児島・奄美大島で合同自主トレを行っている村田修一内野手(31)が16日、代名詞でもある「男」封印を宣言した。野球界では「男」といえば「村田」、「村田」といえば「男」で浸透している。それでも村田は、ほおを緩めつつ「男は封印します」と話した。

 基本的な野球用具には昨季から「男」の文字が入っていない。ブランドアンバサダー契約を結ぶミズノ社によると「昨季は、『男』というロゴは力んだ感じのイメージにもなるかもしれない、シンプルにいこう、ということでした」という。移籍元年の今季は、ファンに広くアピールする意味合いも込め、代名詞の「男」を再び強調してもおかしくはない。だが「MURATA25」という刺しゅうになる予定だ。

 村田は「『男』って、何か近寄りがたい雰囲気があるかもしれない。優勝のために一生懸命、楽しく野球をやりたいので」と真意を説明した。他球団の4番だっただけに、最初は周囲に過剰に気を使わせてしまうかもしれない。そのうえ「男」のイメージを必要以上に持たれてしまうと…。1日でも早く「巨人の村田」として受け入れられ、一致団結して戦いたい思いと配慮の表れでもあった。

 一本気な「男」の心意気は変わらない。「これからの野球人生で貴重な1年になる。『村田の決断は良かったな』と言ってもらえる1年にしたい。優勝するために何ができるか考えて、野球に打ち込みたい」。「最多の114を超えるように頑張りたい」と打点王を目指すのも、チームに貢献したい一心からきている。

 現在の心境は、プロ1年目の境地に近いという。「ルーキーの時、2月1日にユニホームに袖を通して、グラウンドに出るのがドキドキした。今年はそういうドキドキを感じる。早く巨人の一員として野球がしたい」。まっさらな気持ちで、村田がスタートを切る。【浜本卓也】