巨人原辰徳監督(53)が、恩師の藤田元司元巨人監督にV奪回を誓った。29日、06年2月9日に74歳で亡くなった藤田元監督の七回忌法要が都内で行われた。墓前で手を合わせ「ゴールテープを切ります」と、3年ぶりのリーグ制覇、さらには日本一を約束。報道陣には「毎年、我々勝負の世界は、ご破算からスタートするわけですから。ゼロから、横一線からスタートするわけですから、しっかりとゴールテープを」と補足し、優勝というゴールを目がけてひた走る決意を明かした。

 岡崎ヘッドコーチ、川相2軍監督、斎藤投手コーチ、勝呂内野守備走塁コーチら現首脳陣をはじめ、水野雄仁氏、宮本和知氏、槙原寛己氏、桑田真澄氏と、かつて藤田元監督の薫陶を受けた教え子がズラリと並んだ。原監督にとって藤田元監督は、ドラフトのくじを引いてもらった恩師。今でも、シーズン中に連敗が立て込むと、同所を訪れ、墓参し、相談をするという。「ちょこちょこお邪魔してますが、何年たっても緊張感というか、非常に大事な1人。(相対すると)何年たっても変わらぬ新鮮な気持ちになります」と、話した。

 命日は2月にもかかわらず、原監督ら現役世代に対する遺族側の配慮から、キャンプ出発直前のこの日に法要は営まれた。「この時期に七回忌法要をやっていただいたのはありがたいこと。『また1年が始まります』と言うことができました。我々にとって2月はお正月。非常にけじめのある時期ですね」と原監督。恩師への誓いをたて、神聖な気持ちで恩師の眠る寺を後にした。あとは明日31日、キャンプの地、宮崎に向かうだけだ。【金子航】