力強く、堂々とした宣言だった。西武のエース涌井秀章投手(25)が9日、沢村賞獲得の誓いを立てた。200イニング、10完投が目標になるかと問われ「それも目安にはなりますけど、一番欲しいのは沢村賞です。マサオ(楽天田中)と争って、奪い返したい」と、昨季の沢村賞男のニックネームを口にしながら奪還への意欲を言葉に出した。

 昨季は右ひじ痛も影響し9勝(12敗)。5年続けてきた2ケタ勝利が止まった。雪辱をかける今季、涌井の胸にあるのは「普通にやること。普通にやれば去年みたいなことはない」との強い思いだった。渡辺監督も先発を横一線と公言するが、本音は涌井が軸。「言われなくても、僕はそのつもりでいます」と覚悟はある。

 09年に沢村賞を初受賞。ダルビッシュがメジャー挑戦した今、球界を引っ張る存在として期待がかかる。「1年間やっただけじゃ、ダルを越すことはできないですから」。視線の先にあるのは、球界のエース。手にするためには、投手最高の称号が証しになる。

 この日は、捕手を初めて座らせ、42球投げた。「(調整は)予定通りです。腕を強く振ることを意識した」と順調な調整を強調した。練習中から若手投手陣の先頭に立ち、オフも新人らと食事会を開くなど、投手陣の軸としての自覚が垣間見える。キャンプ中、多くを語ることはなかったが、沢村賞のワンフレーズに、今年にかける思いが凝縮された。【久保賢吾】