オリックス白■丞(ベク・チャスン)投手(31=元パドレス)が、初実戦でメロメロになった。13日、紅白戦に登板。メジャー16勝右腕はボールが高めに浮き2回を投げ9安打5失点。盗塁3、暴投1、ボーク1と散々だった。昨季は右肘のリハビリで無所属だった。「ゲームは2年ぶりに投げたので、ブルペンの感触とは違った。2イニング目は力が残ってなかった」と話した。

 実戦ブランクよりも深刻なのはクイック投法だ。視察したヤクルト衣川スコアラーは「捕手が(二塁まで)1・6秒で投げないと厳しいかも」と指摘。一般にトップクラスの捕手でも捕ってからボールが二塁到達するまで1・8秒かかる。白■丞は急ピッチでフォーム改造の必要に迫られた。

 岡田監督も、渋い顔だ。「走られると思って、投げ急いで、球がいかない、制球も悪い。悪循環よ。クイックはできると思うが、球威がないと意味ない。あの体やから、機敏にポンとは…」。それでも、18日からの沖縄での練習試合に起用する予定。2年ぶりの実戦で最速144キロを計測したスピードは救いだが、大きな課題を露呈した。【益田一弘】

 ◆白■丞(ベク・チャスン)1980年5月29日、韓国釜山広域市生まれ。98年にアマのフリーエージェントとしてマリナーズ入団。メジャー通算16勝18敗、防御率4・83。昨秋キャンプでテストを受けオリックスに入団した。193センチ、100キロ。右投げ右打ち。※■は言ベンに差