広島のドラフト1位野村祐輔投手(22=明大)が23日、日南キャンプのブルペンでプロ最多の149球を投げた。実戦登板への熱意がこもった投げ込みに、首脳陣も25日にシート打撃で初登板させることを決めた。慎重に調整を続けてきた実戦派右腕が、ついに打者相手にベールを脱ぐ。

 コイの野村がついにベールを脱ぐ。25日にシート打撃で登板することが決定した。この日の練習試合で西武のルーキー十亀剣投手(24=JR東日本)に3回をパーフェクトに抑える快投を見せつけられた。控室の扉の隙間からのぞき込むプロ同期の活躍に、負けず嫌いの心が反応した。

 野村

 実戦で投げたいですね。ブルペンで投げても、実戦は休みがあるので、その中で投げ込んでいきたい。ブルペンでよく見えるボールも、実戦ではよくないこともある。そういうのも試していきたい。

 体がうずいた。気温20度の快適な気候も後押しし、午前中に今キャンプ自己最多となる149球を投げ込んだ。打席にはニックが立ち、実戦さながら両コーナーに緻密に投げ分ける。1人きりになったブルペンで、約50分に渡って乾いた捕球音を響かせた。

 これまで投げていなかったフォークも初披露した。制球がばらつき「いまいちでしたね」と苦笑いしたが、調整は最終段階に差し掛かっている。今後は打者相手の投球で、感覚を擦り合わせる作業となる。

 大野投手コーチ

 疲れやしんどさを感じながら投げられたのでは。疲れてもフォームを崩すことなく投げていた。まだタイミングをつかめない球種もあったけど、早くいいときの状態に戻ってきてほしい。

 当初は25日ソフトバンク戦(都城)で実戦デビューする可能性もあったが、慎重に調整を行ってきた。シート打撃の投球で問題がなければ、いよいよGOサインが出る。「試合で投げる方が楽しい」と常々口にする実戦派右腕。過去に7人しか達成していない東京6大学30勝&300奪三振の真価を見せつけるときが近づいている。【鎌田真一郎】