<オープン戦:オリックス3-3阪神>◇23日◇京セラドーム大阪
開幕センター、いただきだ!
阪神柴田講平外野手(25)が2番中堅で先発し、オリックス西、平野の両右腕を攻略して2安打1打点。鮮やかなラストスパートで、開幕スタメンに当確ランプをともした。左肩故障でキャンプ2軍スタートと出遅れたのは過去のこと。和田阪神のキーマンとして、開幕ダッシュを狙う。
「開幕センター」をほぼ手中にする打球だった。2点を追う8回、無死一塁。柴田がオリックスのセットアッパー平野と相対した。カウント1ボール2ストライク。追い込まれてからが真骨頂だ。低めの球を見極め、変化球をファウルした。粘りながら好球を待った。6球目。146キロの速球がやや中に入ったところを仕留めた。右中間を真っ二つに破るタイムリー三塁打。その後、ブラゼルの適時打で同点ホームを踏んだ。
「初めて(バットの)芯を食ったんじゃないですかね。今年1番よかった」
守っても、初めて右翼で起用されたブラゼルを俊足でカバー。2回先頭バリディリスの右翼への当たりをさばき、打者走者を三塁に進めなかった。
沖縄キャンプから続いたセンター争いにも答えが見えてきた。「彼、本来の当たりが出てきた。柴田らしい当たりが出てきた」。試合後、和田監督の顔がほころんだ。指揮官は、今季から導入される予告先発の有効利用として、相手投手の左右で選手を入れ替える構想を示している。左打者の柴田は右打者・大和との併用が基本とみられるが、3月30日の開幕戦で、DeNAの先発は右腕・高崎。この日右投手から2安打した柴田が、開幕スタメンをほぼ手中にしたことになる。
チームも、柴田個人も、もがきながら探し当てた突破口だった。12球団最低のチーム打率1割8分3厘で迎えたこの日、試合前打撃練習に異変が起こった。打撃投手が通常より1・5メートルほど前から投げていた。
「最近、差し込まれたようなゴロが多かったから。打者の本能というか、ああすれば、自然と早めにタイミングを取るから」
片岡打撃コーチが説明した。「1・5メートルの工夫」が停滞していたものを動かしたのか。結果としてスコアボードには10度もHランプがともり、本来、速球に強い柴田にもスイングスピードとキレが戻ってきた。
「あと3試合、チャンスがある限り、全力でやります」。柴田は目の前だけを見据えた。左肩故障によるキャンプ2軍スタートからの大逆襲でここまできた。1軍復帰後、柴田は追いかける立場を強調していたが、もう、出遅れのイメージは拭い去られた。開幕を目指して躍動する姿は堂々たるものだ。【鈴木忠平】



