<楽天3-5ロッテ>◇31日◇Kスタ宮城
楽天銀次内野手(24)がレギュラーどりへ猛アピールした。ロッテ2回戦に「6番三塁」でスタメン出場。1回表に先制を許す適時失策を犯したが、その裏の打席で左前打。さらに、もう2安打を重ね、プロ初の3安打猛打賞を放った。7年目。岩手・普代村出身の銀次が東北のスターを目指す。
銀次は必死だった。「むちゃくちゃ集中しました。絶対に弱気になったらいけないと」。1回1死一、二塁で最初の打席が回ってきた。ロッテ唐川の初球、チェンジアップが高くきたのを逃さなかった。左前にライナーではじき返し、今季初安打。直前の表の守りでミスをしていた。2死一、三塁でサブローの打球をはじき、先制を許す適時失策。試合に敗れては「帳消し」とはいかないが、6回、8回にも安打。星野監督も「エラーの尾を引かず打撃でかえした」と評価した。
なぜ切り替えられたか。昨季終盤、イースタン・リーグ首位打者の打力を買われ1軍に呼ばれた。そこで気が付いたのは、トップクラスの選手でもミスを引きずったらダメだということ。好機に凡退した選手が、直後に守りでミスするケースを目の当たりにした。「凡退してもベンチに戻って革手袋を外し、目の前に置いた瞬間、切り替えるようにしたんです」。1軍定着の足掛かりをつくった1カ月で、貴重な経験をした。
初球からフルスイング出来る打撃センスは、新任の大久保打撃コーチも注目する。だが実は、2人の出会いはずっと前にさかのぼる。90年代末、当時は解説者だった大久保コーチが岩手・普代村を訪れ、野球教室を行った。目に留まった少年に声をかけた。「君はプロになれる」。それが銀次だった。「覚えてるよ。スイングが速くてね。ものが違った。あれが銀次かあ。不思議な縁だねえ」と、うれしそうに思い出した。
そのコーチの下で、銀次は昨秋から1回も休まずアーリーワークを続けている。30日の開幕日には全体のアーリーワークよりも1人だけ、さらに30分早く打ち出した。「当たり前ですよ。僕らは先輩たちを脅かさないといけませんから。レギュラー、狙ってます」。振って、振って、定位置をとりにいく。【古川真弥】



