<ロッテ0-4日本ハム>◇7日◇QVCマリン

 “脱力系左腕”が、マリンの風を自在に操った。日本ハム武田勝投手(33)が、スコアボードに9つの0を並べた。今季初勝利は約2年ぶりとなる完封勝利、しかも無四球だった。「風があったので、より集中して丁寧に投げた」と自身2度目の完封を振り返った。真骨頂の低めへの制球は球数を投げるごとにさえ、「序盤は曲がりすぎた」というスライダーもリリースポイントを変えることで有効な武器とした。

 前回3月31日西武戦(札幌ドーム)では6回3失点。勝敗は付かなかったが「勝ちたいという自分の気持ちを優先してしまって、それが力みにつながった」と、制球を乱したことを反省。この日は、力を抜くことに全神経を注いだ。「力を抜くということをテーマに、斎藤と2人でキャッチボールをしてきた」。右足を上げてからリリースの直前まで「ボールが(左手から)こぼれそうになるくらいの感覚」を大切にした。

 散発4安打で、3回以降は二塁さえ踏ませない。「うちのエースとして、先に(マウンドを)降りてもらうわけにはいかなかった」という栗山監督の期待に、完璧な投球で応えた。昨季、先発した試合は5戦連続でチームが零敗するなど“無援地獄”に苦しんだだけに、我慢比べはもってこいだった。【中島宙恵】