<イースタン・リーグ:DeNA7-4楽天>◇7日◇横須賀

 腰痛で2軍調整中の楽天松井稼頭央内野手(36)が実戦復帰し、早期の1軍合流へ歩み出した。イースタン・リーグDeNA戦に「1番DH」で先発出場。3月4日以来、約1カ月ぶりの実戦だったが、第2打席で中前安打を放つと、二盗も決めてキレのある動きを見せた。また、ドラフト1位ルーキーの武藤好貴投手(24=JR北海道)が3番手で登板し、1回無安打2奪三振で1軍昇格へアピールした。

 鋭いライナーだった。松井の第2打席、カウント2ボール1ストライクから低めの直球にクルリと体を回転させた。快音を残し、中前へのクリーンヒット。その後、2番川口の打席でフルカウントからスタートを切った。エンドランのサインだったが快足を飛ばし二盗に成功。仁村2軍監督は「予定通り、順調。盗塁もしたし、ヒットも出たからね」と早期の1軍復帰へ、キレある動きが戻ってきた。

 開幕直前に出場選手登録を外れた。今季「144試合出場」を目標にしていただけに無念だった。3月30日から仙台市内の2軍グラウンドでリハビリを続けた。4月3日には約1カ月ぶりに8~9割のダッシュも行い、腰に負担のかかるノックも再開。「いい感じできてるし、徐々によくなっている。昨日より今日、今日より明日とよくなってる」と順調な回復を見せていた。

 実戦復帰に向けては「打球勘だとか、スピードとか、どれだけ反応ができるか」と話していた。この日の安打と盗塁は、持ち前の瞬発力を発揮した素早い動きだった。予定では9日のイースタン・リーグ巨人戦からスタメンで守備にもつく予定。しかし仁村2軍監督は「本人が出たいと言えばね」と状態次第では今日8日にも守備につく可能性もある。「何試合かスタメンで出て、良ければ(1軍に)上げられると思う」とも話した。気温の変化のないドーム球場での1軍合流の可能性が高く、早ければ13日の日本ハム戦(札幌ドーム)での復帰が予想される。

 1軍の遊撃は枡田、阿部、西村らが出場するが、試合ごとにスタメンが代わるなど固定されていない。勝負どころでの失策も出るなど不安定な面もある。チームにとって守備の要が戻ってくるのは大きい。この日、松井は試合途中で球場を後にした。事あるごとに「1日でも早く戻りたい」と言い続けている。来週末の復帰へ向けて、さらにステップアップした。【斎藤庸裕】