偉業達成の瞬間の喜びをファンとともに-。2000安打へ残り11本と迫っている日本ハム稲葉篤紀外野手(39)が、5月1日から6日までの札幌ドーム開催試合で記録を達成した場合、試合後にグラウンドで公開会見を行うことが18日、分かった。実現すれば新庄剛志氏、斎藤の入団会見、ダルビッシュの退団会見に続き4度目。球団の粋な計らいで、本拠地のファンに肉声を届けることになる。

 ファンを大切にする稲葉らしい企画を、球団は温めていた。ゴールデンウイーク中の本拠地・札幌ドームの試合で2000安打達成となった場合、試合後に会見をグラウンドで行う。ファンにとっては、記録達成の瞬間を見届け、喜びの生声を聞くことができるという二重の楽しみが待つ6日間になりそうだ。

 これまで同じスタイルでファンの前で公開されたのは、03年12月の新庄氏入団会見、09年12月の斎藤入団会見、そして今年1月のダルビッシュ退団会見のみ。実現すれば4例目で、ファンサービスに積極的な稲葉にとって忘れられない思い出になるのは間違いない。

 今季は大台まで残り34本でスタート。開幕から快調に安打を重ね、残り11本に迫った。現在のペースは1合平均1・35本。このままのペースを持続すると、9試合後の4月29日楽天戦(Kスタ宮城)で2000本に到達する。早いに越したことはないが、仮に2試合遅れるようなら、ファンが待つ本拠地へ戻る可能性が出てくる。

 稲葉はこの日、今日19日の西武戦(皇子山)に備え、東京から新幹線で京都に移動。西武先発の岸について「相手を不安にさせなければいけない。苦手?

 苦手ということはシーズンが終わってから考えること。とにかく勝ちたい」と記録への意識を封印し、チームの勝利にこだわった。ファンとしては、いつも打ってほしいけど、今だけは札幌ドームまで取っておいて…。そんなジレンマを抱えながら、残り試合を見守ることになりそうだ。